一時期都市伝説として存在していた話が、実は本当だったというショッキングな出来事が最近続いている。
「スリープへブンシンドローム」とそれは呼ばれる。とりあえずウイルスの仕業と政府は決め付けているが
各方面の医者達からは「どう考えてもおかしい」と、ウイルス説は否定されている。
仮にウイルスの仕業だとして、どういった症状が出るのだろうか。
まずそのウイルスに感染した人間は、突然世の中が美しく見える。そして寝る回数が増え、最後には姿を
消してしまう。
姿を消すというと、大体、どこかへ姿を隠してしまうと解釈されがちだが、その人間の存在自体が消えてしまう。
ある精神病院で同じような話があった。
その患者は突然「空が美しい」と曇り空を見て主張し出した。ひどく興奮していたらしい。たまに暴れる事のあった
その患者は、とりあえず拘束衣を着せられて一人部屋に入れられ、監視される事になった。
暴れないのは良い事だが、異常に眠り続け、少し起きて「世の中は美しい」と一言言うとまた眠り続ける。
最後には一週間寝続けて、そろそろ普通に団体部屋に移しても良いかと思われ、病院関係の人間がその個室を
開けると、拘束衣だけがそこに存在し、人間は消えていた。
それは精神病院に限らず、普通に生活している人間にも同じような例がどんどん出てきた。
それは都内のある一角に集中して起こっており、捜索願は結構な数になっている。
そしてある日を境にスリープへブンシンドロームはぱったりと姿を消した。
それはある少女の自殺の遺書に関係があるらしい。
「スリープへブンシンドロームはウイルスではありません。人間に元々存在している「もの」を起動させる事に
よって、次の世界へ移動させているだけです、その方法を私は知ってしまいました。
夢と現実という言場がありますが、夢だろうが現実だろうが本当はどちらも真実なのです。
そして夢の奥にも夢のような世界があります。順序としては
美しい世界に見える=夢を超えた第三世界のヴィジョンを見て感じる事
ほとんど眠った状態になる=第二世界である、俗に言う「夢」を精神的に慣れさせ、第三世界行く準備をする
姿を消す=第三世界へ行く。
世界を二つまたげば、その人の体は消えて、第三世界で暮らすことになります。逆に、第三世界からこちらへ来る方も
おられるようですが。第三世界は夢のように素晴らしい所なので、滅多にこの世界には、来ません。
以下にその手順を書きます・・・
・・・と、そのような事をすれば成功します。私はそれを近所の人々に実験のような形で、してしまったのです。
実際に私も第三世界へ行きましたが、そこで第四世界なるものの情報を手に入れました。
これは自分で命を絶たなければ行くことが出来ないらしいのです。
ですから私は死を選びます。第四世界は、もう抜け出せない所らしいのですが、私は行きます。
色々な方にご迷惑をおかけしました事をお詫びします。それではさようなら」
その遺書を読んだ、ある人はしばらくして姿を消した。遺書をシュレッダーで処理してから・・・。
時は過ぎ、スリープへブンシンドロームは姿を消した。真実を知る者はもういない。